[00:02.85]第九巻 883ページ… [00:17.03]盲目の詩人 ルーナは静かに唇を開いた… [00:25.38]これより歌うは…ある娘が 大切なモノに辿りつく迄の詩 [00:34.41]苛酷な旅よ 困難な途よ それでも娘は決して諦めなかった [00:44.40]物語は運命を呪うより 苦しくとも詩い続ける途を選ぶ [00:53.03]いづれ歴史が全てを葬りさろうとも 今は唯…瞳(め)を閉じて聴いておくれ [01:21.41]愛しい人よ アナタは何処に [01:30.25]手掛かりひとつなく [01:38.29]孤独な旅の 道連れの詩は [01:46.88]遠い空へ 霞んで消えた [01:55.22]天堕つる雨 手の平に [02:03.05]零れ落ちた雫(なみだ)… [02:15.85]幾つもの深い森を抜けて 険しい山を越え [02:32.32]町から街へ 知人(ひと)から他人(ひと)へと [02:41.46]想い人を 尋ね歩いた [02:49.66]天翔ける追想(ゆめ) 星空に [02:57.48]誓った接吻(やくそく)は… [03:06.67]「嗚呼…エンディミオ…」 [03:07.91]虚ろな世界を 夕闇が包み込む [03:14.55]帰れぬ私は 独り何処へ往く [03:26.47]予言書が肯定する史実 争いの歴史 [03:31.42]戦禍という名の爪痕 大地を灼き尽くす焔 [03:36.64]家族…恋人…愛する者の消息も知れず [03:41.93]多くの者達が為す術もなく引き裂かれた時代 [03:48.32]娘の旅は 道連れとなった詩を遡るように [03:53.12]とある城で牢番をしていたと言う男へ [03:56.96]そして…推測から確信へと辿りついてしまった [04:02.59]切なくも懐かしき調べ その詩を綴ったのは… [04:08.53]挫けそうな私をいつも支えてくれたのは [04:17.94]恋人(アナタ)が最期に遺してくれた この名も無き詩よ [04:29.81]「運命よ…例えお前が瞳から光を奪い去ろうとも、 [04:34.26]この唇からは詩を奪えない…」 [04:55.05]辿りつく詩は 夕闇に陽を灯し [05:02.81]枯れてなお花は 凛と其処(そこ)に咲く [05:14.33]嗚呼…吹き荒れる悲しみの… [05:15.03]嵐が訪れ 全て薙ぎ倒しても [05:21.63]大切なモノは 絶えず此処(ここ)に在る [05:31.15](──大切な人の 辿りつく詩) [05:33.40](──大切な者の 辿りつく詩) [05:36.65]君よ…大切なモノに辿りつく途を見つけたら もう迷うことなかれ [05:40.49](──大切な人の 辿りつく詩) [05:41.98](──大切な者の 辿りつく詩) [05:42.28]例え茨の途であろうとも 歌をくちずさめばそれもまた楽し [05:47.38](──大切な人の 辿りつく詩) [05:47.63](──大切な者の 辿りつく詩) [05:50.92]詩えない人生になど 意味はないのだから… [05:55.57](──大切な人の 辿りつく詩) [05:56.22](──大切な者の 辿りつく詩) [06:04.97]大切なモノへと…辿りつく場所へと… [06:07.34]白鴉が目指す地平…あの空の向こうへ…