[00:03.190]荒れ果てた野を 一人の少女が往く [00:07.340]正確には一人と一匹 [00:10.130]少女の右手には赤い紐 [00:12.640]その先に結ばれたる首輪もまた赤く [00:16.900]黒銀の毛並みを持つ犬は 小さく吠えた [00:20.850]飼い主たる少女『澪音』に語りかけるかのように [00:40.180]豪奢な廃墟に転がり [00:43.500]冷たい雨に怯える [00:47.140]輝ける名誉も権力(ちから)も [00:50.800]今ではもう過去の所有物(もの) [00:54.790]観測とは事実の側面を抉り取る刃物(ナイフ) [00:58.470]その男は果たして…何を得…何を失ったのか [01:02.150]奪いし物は奪われ [01:05.319]斯して世界は廻る [01:08.880]降り止まない雨の向こうに [01:12.600]何色の空をみる [01:16.490]代償(リスク)を背負うほど 加熱する駆け引きは [01:23.450]全て失くすまで気付かない [01:27.230]度し難い自我(エゴ)の下僕(しもべ) [01:45.550]空虚な廃墟に転がり [01:48.950]冷たい雨に震える [01:52.570]帰る場所も待ってる人も [01:56.240]今ではもう過去の支配領域(ばしょ) [02:00.250]推測とは事実の背面を削ぎ落とす刃物(ナイフ) [02:03.860]その男は果たして…何を見…何を悟ったのか [02:07.610]奪いし者は奪われ [02:10.770]斯して時代は廻る [02:14.460]降り止まない雨の向こうに [02:18.130]何色の空がある [02:22.100]運命を捩じ伏せ 従える心算(つもり)でも [02:28.960]未来(とき)を掴もうと伸ばした [02:32.610]その腕では短か過ぎた [02:36.490]閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間(とき)世界は [02:43.620]幻想し得る最悪の狂夢(ゆめ)を [02:47.110]残酷な死神(かみ)を見る [02:53.900]『死』とは…精神(こころ)に先行して [02:56.340]まず肉体(からだ)に依存する感覚から朽ち果てるものらしい [03:01.990]なればこそ人間(ひと)は散々忌避し逃避を企てながらも [03:07.570]招かれざる死の冷たい接吻(くちづけ)に耐え得るのだろうか [03:12.970]絶え間ない恐怖感が雨となり降り続けるという幻想 [03:18.550]それは…生きながらにして精神(こころ)を壊されてゆく苦痛 [03:24.200]硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡 [03:29.500]罪人は少女の瞳の中に唯『世界』を見るという [03:35.370]百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り [03:39.770]憐憫…侮蔑…的外れな嘲笑…謂わば対岸の火事 [03:46.150]燃えるまでは熱さ解らず [03:48.650]燃えてからでは遅過ぎる [03:51.000]この世界で何人が罪を犯さずに生きられると言うのか [04:16.490]閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間(とき)世界は [04:23.530]幻想し得る最悪の狂夢(ゆめ)を [04:27.130]残酷な死神(かみ)を見る [04:31.500]薄氷色(アイスブルー)に煌く瞳が鮮やかに朽ちる世界と [04:38.220]堕ちてゆく狂夢(ゆめ)に唇を重ねて [04:41.740]残酷な死神(かみ)になる [04:46.350]地に蔓延りし我ら罪人の群れ [04:50.230]願わくば…君が澪音の世界に囚われないことを