《 Chronicle 2nd 》 Vol.11 書の囁き 私は<書の意思の総體>(クロニカ アナタたちが<黒の予言書>(ブラッククロニクル と呼んでいるモノの つまらない昔話でも宜しよければ お話ししてさしあげましょう 我らは書に拠って 祝福を約束されし 彼らは書に拠って 斷罪を約束されし 昔々ある所に一人の男がいました 彼は破滅の運命に囚われていましたが 苦難の その運命から逃れる道を見つけ出しました しかし 彼がその運命から逃れることは 別の運命によって定められていました その別の運命から逃れられたとしても 更にまた別の運命に囚われてしまいます 結局はその枠を何処まで広げようと いづれは簡単に絡めとられてしまうのです 書の真理をご理解頂けるかしら 黒の歴史は改竄を赦さないのです アナタは永遠を信じますか …そんなことはどうでの良いのです さしたる問題ではありません 書の歴史は全てを識っているのですから 幾度となく誕生と消滅を繰り返す 全ては予定調和の 書の真理をご理解頂けたかしら 黒の歴史は改竄を決して赦さないのです 結局彼は運命の手から逃がれられませんでした …されど憐れむ必要はないのです ワタシもアナタも誰ひとり逃がれられないのですから めでたし めでたし END