[00:08.370]「此処は何処なのかしら」 [00:17.360]私は確か…追われ [00:24.790]矢を射られ…倒れたはずだったわ [00:33.940] [00:34.460]「気付いて良かった」 [00:37.170]大丈夫かい [00:40.480]私の名はアルヴァレス [00:47.130]君達の村を襲った軍隊の指揮官 [01:00.900]だったのだが…今ではもう追われる身だ [01:06.810]からと言っても…言い訳に過ぎぬ [01:10.720]私が憎いかい [01:13.380] [01:13.400]「えぇ」 [01:13.880]憎くない [01:15.800]と言ったら噓になるけれど [01:20.680]助けてくれた貴方のこと [01:23.920]私は信じたい [01:27.000] [01:27.800]私はベルガ人(ベルジュ)なのだよ [01:29.790]亡國の仇を取る為 [01:31.750]舊フランドルへ身を寄せた<異邦人>(アルベルジュ [01:34.900]この意味が解るかい [01:36.150]お嬢さん [01:36.850]この手はもう取り返しのつかない程に汚れている [01:40.110] [01:40.750]「最初は怒りからプロイツェンを」 [01:43.640]次に異國での居場所を確保する為ロンバルドを [01:47.620]そして己の願望を満たすという目的の為に [01:51.360]カスティリヤを滅ぼした [01:52.820] [01:53.640]「今でも目を閉じると」 [01:55.150]鮮やかに浮かんでくる風景がある [01:57.520]私にはどうしても取り戻したい場所があったのだ [02:01.440]そんな私に當時のキルデベルト六世陛下は約束してくれた [02:05.900] [02:06.680]「國をあと一つ」 [02:08.190]例えばプリタニアの征服を條件に [02:10.880]ベルガの獨立自治権を許すと [02:14.050]私は他人(ひと)の國を売って [02:16.420]自分の國を買い戻そうとしたのだ [02:18.840] [02:19.040]「私はそんな愚かな男なのだよ」 [02:21.810] [02:23.220]「そう…そんな愚かな男なら」 [02:26.290]私がここで殺してしまっても構わないわね [02:29.110] [02:29.540]「あぁ…好きにするが良い」 [02:32.310]私は取り返しのつかない過ちを犯してしまった [02:35.550] [02:35.950]「馬鹿!それでは何も解決しないじゃない」 [02:39.430]貴方はそれで満足かも知れない [02:41.780]でも貴方の仇を取ろうとする者が現れないとは限らない [02:45.700]その論理が繰り返し悲劇を生んでいるのよ [02:48.410] [02:48.870]「取り返しのつく歴史なんて一つもないの」 [02:51.620]だから尊いの [02:53.310]だから私達は新しい歴史を創ってゆくの [02:56.260]愚か者とは [02:57.420]過ちを犯す者のことじゃない [02:59.360]過ちと知ってなお [03:00.710]正そうしない者のことをいうのよ [03:02.730] [03:03.170]「…ねぇ…そうでしょう」 [03:04.290] [03:04.550]「お嬢さん…君は強いな」 [03:06.560] [03:06.730]「えぇ…そうよ…私は強いわ」 [03:09.080]この國の未來を背負っているんだもの [03:10.910] [03:11.160]「この國の未來」 [03:12.630]プリタニアの女王は若い娘だと聞いていたが [03:15.290] [03:15.670]まさか…君が [03:16.590] [03:17.390]「ローザギネアヴァロン…」 [03:18.380] [03:19.220]そう…私がこの國(プリタニア)の女王よ [03:22.530]黙っていて御免なさい…でも解って欲しいの [03:25.880]アルヴァレス將軍…私は貴方を信じます [03:28.670]「これは…女王陛下とは露知らず」 [03:28.710] [03:31.080]數々の非禮を [03:31.730] [03:31.870]「お願い!畏まらないで」 [03:33.480]私はそういうの好きじゃないの [03:35.290]私のことはローザで良いわ [03:37.040] [03:38.600]「それにしても貴方があの有名な「ベルガの死神」(アルベルジュ)とはね [03:43.150]…想像していた像(イメージ)と隨分違うわね [03:45.580]熊のような大男だと思っていたのに [03:48.540]「…でも<ベルガの死神>(アルベルジュ)はやめた方が良いわね」 [03:51.570]この國では流行らないわ [03:53.920]プリタニア風に言うと [03:55.400]そうね、<ベルガの暴れん坊>(アーベルジュ)かしら [03:57.830]そっちの方がずっと素敵よ [03:59.610]ねぇ…そうしなさいな [04:01.320] [04:03.280]「何?さっきから女性(ひと)の顔をそんなに見つめて」 [04:06.340] [04:06.530]「いや…最初に貴女(あなた)を助けた時」 [04:09.130]ある女性に似ていると思ったのだが [04:10.760] [04:10.960]「思ったのだが」 [04:11.850] [04:12.000]「…今にして思うと全然似ておらぬ」 [04:14.280] [04:14.460]「なに」 [04:16.200] [04:19.130]ウインダミアの湖畔を白い風が駈け抜けて往く [04:22.640]トリストラム騎士団長率いる第六騎士団が衛る地 [04:26.290]ランカスターへと… [04:27.650] [04:28.580]END