[00:00.00] [00:01.52]世界を救いし隻腕の英雄亡き後 [00:05.38]邪神が封印されし地に街を築き [00:08.61]自らが結界の役割を果たし [00:11.60]永き平和への礎と成す [00:14.69] [00:15.60]誇り高き右腕に刻まれし雷の紋章(あかし) [00:19.02]彼の者達の名は [00:20.64]雷神の民 [00:22.62]伝承の謎 [00:23.91]紋章の秘密 [00:25.69]少年が描く軌跡 [00:27.84]雷神の系譜 [00:30.02] [00:37.51]弱い者ほど徒黨を組み [00:41.16]身代わりの羊を捜す [00:44.80]愛を知らない幼き日々は [00:48.24]灼けた石の痛み [00:51.05] [00:51.27]ひとり唇噤んだまま [00:55.16]膝を抱えて耐えていた [00:58.75]雨も宿ればいづれ過ぎ去る [01:02.28]嵐もまた然り [01:05.73] [01:06.09]されど輝やかざる紋章(しるし) [01:09.19]本當の強さって何だろう [01:13.02]差し出された少女の小さな手が [01:17.25]とても大きく見えた [01:20.17] [01:24.99]黙したまま何も語らぬ歴史の手の平の上で [01:30.88]出會ってしまった少年と少女の物語 [01:36.58]十年の歳月も一閃の雷が如く [01:42.03]過ぎ去ってしまえば剎那 [01:44.42]今…黒の歴史が再び動き出そうとしている [01:50.38] [01:50.80]遠い空見上げて [01:55.49]この胸を焦がす [02:00.70]浮かぶのは彼女の [02:06.10]愛らしい笑顔だけ [02:11.36]適わぬ想いと [02:16.59]識っていながら [02:21.31] [02:21.88]麗しの君は何故 [02:23.57]一族の長の娘 [02:24.72]部族一強き者の許へ [02:27.23]嫁ぐこと定めしは [02:28.66]変えられぬ民の掟 [02:31.50] [02:31.74]嗚呼… [02:32.45]雷(ちから)無きこの腕じゃ [02:33.95]君のこと護れない [02:35.19]想いなら誰にも負けないと [02:37.76]叫んでもその言葉 [02:39.13]虛しくも風に消えた [02:42.14] [02:43.10]期は満ちようとしていた [02:45.89]長の娘も今年で婚禮を定められし齢十六 [02:51.32]その誕生の日が差し迫り [02:53.81]]一族の猛者達は競って名乗りを上げた [02:57.42]期は満ちようとしていた [02:59.48]邪悪なる波動が街全體を包み込み [03:03.46]空に立ち込めたる暗雲は [03:06.07]<三度目の嵐>の訪れを告げようとしていた [03:10.11] [03:11.17]「おぉ…何ということじゃ [03:14.82]黒き法衣(ローブ)を纏いし者達の影が見える [03:18.49]予言書の使徒 [03:19.99]奴らを封印の深奥へ行かせてはならん [03:23.14]邪神の封印を解こうとしておるのじゃ [03:25.60]いまや雷神様も血も薄れ [03:28.10]我らに扱えるは小さき雷のみ [03:31.00]あぁ恐ろしいや [03:33.57]天地を揺るがす強大な力じゃ [03:36.41]來るぞ…あぁ來るぞ…!」 [03:39.31] [04:40.67]地を割る咆哮 [04:42.47]天を裂く爪牙 [04:44.29]烈火の如く燃えさかる六対の翼 [04:47.62]暗黒を宿した瞳に魅いられただけで [04:50.98]勇猛なる戦士が次々と倒れていった [04:54.31] [04:55.04]嗚呼… [04:56.02]人間(ひと)とは神の前では [04:58.08]かくも無力なモノなのだろうか [05:00.44]誰もが深い絶望に呑まれかけていたその瞬間(とき) [05:04.04]一際眩い閃光が雷(ちから)無き青年の體を貫いた [05:08.44] [05:09.14]「覚醒め(めざめ)よ [05:11.50]勇敢なる右腕を持つ者よ [05:14.17]直系の雷(ちから)を受け継ぎし者よ [05:17.20]かつて私は邪神(やつ)を封印せし折 [05:20.84]雷の槍を放ったが故右腕を失った [05:24.96]今その雷(ちから)を開放すれば [05:27.54]右腕はおろか全身が吹き飛ぶやも知れぬ [05:31.36]御主にその覚悟があるか [05:34.25]…ならば今こそ覚醒め(めざめ)よ<雷神の右腕>よ!」 [05:38.47] [05:39.01]「ひとりでは耐え切れぬ雷(ちから)でもきっと [05:45.69]ふたりなら大丈夫私は信じる!」 [05:52.28] [05:52.66]暗雲を貫く雷 [05:59.24]あの日出會った少年と少女は [06:06.30]今…二つの紋章(しるし)重ね合わせて [06:13.25]輝ける未來(とき)を紡ぐ [06:21.50] [06:41.00]「…ちゃん…ねえ…お婆ちゃん…お婆ちゃんったらぁ!」 [06:45.37]「どうしたの?それからお話どうなったの?」 [06:50.21]「おお…そうだったねえ、ごめんよ。」 [06:54.64]「その後、雷神様が邪神をやっつけたんだよね?ね?」 [06:59.00]「さて、どうだったかねえ…昔の話だからもう忘れちゃったねえ…」 [07:06.16]「えー、そんなのずるいよぉ。」 [07:09.77] [07:10.30]…そう言って微笑んだ祖母の瞳(め)は [07:13.22]とても優しい色をしていた [07:17.41]…その時の事は今でも印象深く覚えている [07:22.25]…私は信じているのだ [07:25.30]雷神の系譜は途絶えていないのだと [07:28.93] [07:30.82]受け継がれるモノ [07:35.57]受け継がれざるモノ [07:39.43]暗雲を貫く光を翼に受け [07:44.91]その白鴉は羽ばたいて往く [07:49.27]