弓(ゅみ)がしなり弾(はじ)けた焔(ほのお) 夜空(ょぞら)を凍(こ)らせて 凜(りん)と蒼(あお)く 別(わか)れの歌(うた)を 恋人(あなた)を射(う)ち墮(お)とす 遠(とお)い日(ひ)の忘(わす)れ物(もの) 引(い)き裂(さ)かれた傷痕(きずあと) 詛(のろ)われし約束(ゃくそく)を その胸(むね)に宿(やど)して 避(さ)けられぬ終焉(しゅえん)は せめて愛(いと)しいその手(て)で 抗(あらが)えぬ衝動(しょうどう)の 闇(やみ)が彼(かれ)を包(つつ)んだ 歪(ゆが)む世界螺旋(せかいらせん)の焔(ほのお) 輪回(りんね)を貫(つらぬ)いて 凜(りん)と赤(あか)く血途(ちぬ)れくちづけ 恋人(あなた)を射(う)ち墮(お)とす 忘レモノハ在リマセンカ 古(いにしえ)の伝説(でんせつ) その魔物(まもの)に傷(きず)を負(お)わされた者(もの)は 詛(のろ)いが全身(ぜんしん)を駆(か)け回(めぐ)り やがては同(おな)じ魔物(まもの)に 成(な)り果(は)てるだろう その傷(きず)を負(お)ったのはいつ それは二人(ふたり)が出会(であ)ったあの日(ひ)まで溯(さかのぼ)る 彼(かれ)が彼女(かのじょ)を助(たす)けた時(とき)に負(お)った傷(きず) 全(すべ)ては出会(であ)った時(とき)から始(はじ)まっていた 岀会(であ)いは喪失(そうしつ)への約束(やくそく)… 枯(か)れ果(は)てた涙(なみだ)は 哀(かな)しみの蒼(あお)い焔(ほのお)を宿(やど)し 銀色(ぎんいろ)に輝(かがや)く矢(や)を放(はな)つ 何度(なんど)でも 唯(ただ)...彼(かれ)が息絶(いきた)えるまで… 愛(あい)すゐ人(ひと)を 失(うし)った世界(せかい)には どんな色(いろ)の花(はな)が 咲(さ)くだろう 月(つき)を抱(だ)いた十字(じゅうじ)の焔(ほのお) 茨(いばら)を倦(ま)きつけて 凜(りん)と白(しろ)く最後(さいご)の弓矢 私(わたし)を射(う)ち墮(お)とす (愛すゐ人を失った世界にはどんな色の花がさくだろう?…)