夕暮れの河川敷を  自転車で独り走る 君の後ろ姿を  追いかけて 声をかけてくれる事を  今日も期待しながら 何もできず通り過ぎる 「君」の夢を見る  静かに微笑む君の人形(ドール)は いつも僕に優しくて  手を伸ばせばそこにある 夢の中で  「君」を描く  全てがここては鮮やかで 哀しい僕のひとりよがりに  今日も「君」を使う 彼と歩く君を見た  二人仲良く手を繋いで 僕の知らぬ顔で微笑む君 すべてが勘違いであったのを  認めることができないままに ただ無言で背を向ける 心の中で息づいた 「君」という記号の人形が 粉々に砕け散って  僕に突き刺さる 今は届かぬ  君を想う  全てがもう遲すぎて あの日  一步 踏み出せたなら  今は僕がそこに? 今は届かぬ  君を想う  全てがもう遲すぎて あの日  一步 踏み出せたなら  今は僕がそこに? 糸の切れた僕の人形  僕の恋したこの『女』(ひと)は ゆれる  ゆれる  僕と踊る  ふたり夢の中で