にわかに熱を帯びながら 雲が渦を巻く 生きもののように こころにやがて滑りこむ もうじき ほら 雨が降る頃 別れたひとを探す 引き潮に帰る せめて悲しみも はじまりだと感じて ふたつに空を分かち 身体を雷鳴が駆けぬけてゆく わたしの中の野性 確かに目覚める 旅立ちの時 素足に丸く触れる サンゴや貝の化石 彼等は伝える たとえ遠くても さまようこと恐れず ざわめく波の調べ 光に包まれて歩き始める わたしに生きる野性 大きな力に委ねて ふたつに空を分かち 身体を雷鳴が駆けぬけてゆく わたしの中の野性 確かに目覚める 旅立ちの時 終わり