不揃いの肩を並べて ぼーっとしてるバスの 中は 無口に揺れる空気を食べつつ 夏に巻かれた街を眺めて 灰色の小石ひかる つよい風の吹く 朝だ さっき出た 君の部屋の 香りさえも 忘れたようなふりをして 遠くへ行くのかい かすかに揺れ出す花をつまんで 君は思い出したように あの娘のもとへと走るのか 保ち合っていた心と体も いつかばらばらに なるかもしれないね 生い茂る緑 歩く 山鳥むれかえる その 時に 月を見た 君が さまよう夜だ 足に近寄る猫も 一人きり 一人きり