解放(かいほう)を選(えら)ぶなら 一(ひと)つ私(わたし)に誓(ちか)いなさい 犠牲(ぎせい)を演(えん)じきる舞台(ぶたい)を 不自然(ふしぜん)な世界(せかい)なら 全(すべ)て壊(こわ)してしまいなさい 二人(ふたり)が孵(かえ)る場所(ばしょ)は無(な)いと 生(う)まれた巣(す)ならもう無(な)いわ 灰(はい)があるだけ 雛(ひな)のまま飛(と)び立(た)つほど愚(おろ)かなの? それはアナタ 裸足(はだし)で駆(か)けていくこの檻(おり)の中(なか) 誰(だれ)かが示(しめ)した出口(でぐち)だけを求(もと)めて そこかで心(こころ)を無(な)くしたのでしょう 澱(よど)んだ瞳(ひとみ)で過(あやま)ちさえも見(み)えなくて 双(すぐ)の境界(きょうかい)が歪(ゆが)む 切(せつ)なさを越(こ)えた先(さき) 描(えが)かれる物語(ものがたり)は 滑稽(こっけい)ね… アナタのような人(ひと)の生(い)き様(ざま)など 二人(ふたり)きりの絵本(えほん) 表紙(とびら)に描(えが)いた 蛇(へび)が食(く)い合(あ)う様(よう)な飾(かざ)り字(じ)の題字(タイトル) 夢(ゆめ)から醒(さ)めたらこの胸(むね)の中(なか) 裏切(うらぎ)り偽(いつわ)りその声(こえ)に犯(おか)されて 無(な)くした心(こころ)が目覚(めざ)めるのでしょう 骸(むくろ)を抱(いだ)いて裂(さ)けるほどに慟哭(どうこく) 等(ひと)しい想(おも)いが響(ひび)きあうなら 二人(ふたり)が互(たが)いに傷(きず)つけあうことなく 目覚(めざ)めた心(こころ)に届(とど)くのでしょう 孤独(こどく)に産(う)まれた幼(おさな)い美学(びがく)の綻(ほころ)び 双(すぐ)の境界(きょうかい)に沈(しず)む