いつも君は肝心なことは 何も言わずに一人でいってしまう 答えじゃなくても 全部じゃなくても 聞かせて欲しいでも声も届かない 君はここにいるのに 君を見つけることはできなかった 差し伸べた掌を君は笑顔で交わした 一人で何かを守ろうとしていた この両手で触れてみても 分厚い壁のシェルターは動かない 無言のままで拒絶していく 無意識に自らを隔離していた 君はここにいるのに 君を見つけることはできなかった 差し伸べた掌を君は笑顔で交わした 一人で何かを守ろうとしていた 不自然に色褪せた記憶をいくら辿っても 絡みついた蔦は扉をも隠した 静まり返った 君のシェルターは 少しずつ 覆われて 見えなくなっていく 差し伸べた掌を君は笑顔で交わした 一人で何かを守ろうとしていた 不自然に色を足した いびつな夕日のようだった 蔦を剥がす手に血が滲んでいた 蔦を剥がすこの手に滲んでいた おわり