朧に霞む春の月この想い風と舞い散れ 宵の空に淡く融けて消え行く数多の追憶 夢微睡んで誘い込まれ行く 時の無い部屋ただ見つめるだけ 哀しむ事に疲れ果てて尚 届かぬ声を呟く唇 儚い熱を追い求めては今も乱れるこの世に 逃れる術を探すばかりの孤独な星 永久に続く路なら何時迄も待つ理由も無く 憎まずとも朽ち果てられる筈と今を捨て生きる 夢醒めて行く光明が目を射す 花舞う様に涙はらはらと落ちた 散り行き踏まれ塵となっても 何時かまた咲き誇れば貴方の胸を彩る桜になれますか 染み渡る心の滴穢れは未だ取れぬままで 他の誰を愛する事もなく時だけが過ぎ去る 問いかけた言葉は虚空に消え 朧に霞む春の月この想い風と舞い散れ 宵の空に淡く融けて消え行く数多の追憶 届け夢現に託すこの願いの花を 宵の空に浮かび寂しげに輝いた朧月