昔 描いた夢で あたしは別の人間で ジャニス·イアンを自らと思い込んでいた 現実には本物が居ると理解(わか)っていた 此処の所描く夢の あたしはあたしだから 欲望も何も区別がつかなくなっていた 現実でもほとんど不確かだ あなたの髪を切らなきゃ 真っ黒な其の眼が あたしの眼に光を射てば呼吸が出来る いまは還らない影など全く厭だけれど あなたには殺されても良いわ 手錠をされたままであたしに跪いた 独り切りじゃ泣いてばかりになる為 誰かにそっと寄り掛かるのであろう あなたはあたしじゃなくちゃ 真っ白なほっぺたに 透き通る小さな雨垂れを落としてしまう でも泣かないで 今すぐ鍵を開けてあげる あなたには全て許しちゃうわ あなたの髪を切らなきゃ 真っ黒な其の眼が あたしの眼に光を射てば呼吸が出来る いまは還らない影など全く厭だけれど あなたには殺されても良いわ 終わり