[00:19.18]8月15日の午後12時半くらいのこと
[00:25.66]天気が良い
[00:28.68]病気になりそうなほど眩しい日差しの中
[00:34.56]することも無いから君と 駄弁 っていた
[00:38.23]「でもまぁ夏は嫌いかな」猫を撫でながら
[00:43.68]君はふてぶてしくつぶやいた
[00:47.73]あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
[00:53.02]飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機
[00:57.47]バッと通ったトラックが君を轢きずって鳴き叫ぶ
[01:02.18]血飛沫の色、君の香りと混ざり合ってむせ返った
[01:07.15]嘘みたいな 陽炎 が「嘘じゃないぞ」って 嗤 ってる
[01:11.62]夏の水色、かき回すような蝉の 音 に全て 眩 んだ
[01:26.09]目を覚ました時計の針が鳴り響くベッドで
[01:32.19]今は何時？
[01:35.80]8月14日の午前12時過ぎ位を指す
[01:41.45]やけに 煩 い蝉の声覚えていた
[01:45.08]でもさぁ、少し不思議だな。
[01:49.02]同じ公園で昨日見た夢を思い出した
[01:54.16]「もう今日は帰ろうか」道に抜けた時
[01:59.89]周りの人は皆上を見上げ口を開けていた
[02:04.38]落下してきた鉄柱が君を貫いて突き刺さる
[02:09.07]劈 く悲鳴と風鈴の音が木々の隙間で空廻り
[02:14.09]ワザとらしい陽炎が「夢じゃないぞ」って嗤ってる
[02:18.56]眩む視界に君の横顔、笑っているような気がした
[02:42.52]何度世界が眩んでも陽炎が嗤って奪い去る。
[02:47.22]繰り返して何十年。もうとっくに気が付いていたろ。
[02:52.12]こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。
[02:57.00]繰り返した夏の日の向こう。
[03:01.64]バッと押しのけ飛び込んだ、瞬間トラックにぶち当たる
[03:06.43]血飛沫の色、君の瞳と軋む体に乱反射して
[03:11.38]文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ったら
[03:15.87]実によく在る夏の日のこと。
[03:18.69]そんな何かがここで終わった。
[03:30.54]目を覚ました8月14日のベッドの上
[03:36.72]少女はただ
[03:40.04]「またダメだったよ」と一人猫を抱きかかえてた