君は気付かずに通り過ぎてゆく 心で波打つ嵐の旋律 ただ笑っているわたしの中で 溶けてしまえない音が響いてる 不甲斐ないわたしを何処に捨てて 「なかった事」にしていけばいい 小さくちぎって丸めたゴミ その欠片が 声を上げた 薔薇のように 気高く顔を上げて 身体中に生えた牙を奏でる 君の指が わたしの棘を恐れ 触れ合えないほど遠くなってもなお 二度と戻らない過去に立ち尽くす 心閉じ込めたわたしの棺 時々心をつまみ出して 噛み締めるように口に含んだ 味など失くしたガムのような 君を想い わたしは咲く 薔薇のように 気高く顔を上げて 身体中に生えた牙を奏でる 君の指が わたしの棘を恐れ 触れ合えないほど遠くなってもなお 薔薇のように 気高く顔を上げて 身体中に生えた牙を奏でる 雨に降られ 晴天に晒され 生き永らう赤い感情を 孤独に揺れ 孤独を飲み込んで 身体中に生えた牙を奏でる 君の指が わたしの棘を恐れ 触れ合えないほど遠くなってもなお