拝啓 実りの秋となり この胸 焦がれ焦れるやうに 温みが 今も 未だあります あなたを 恋慕ゐます。 煌々と照らす木漏れ日を切なく感じて心に沁み入る 君よ 何処へ 何時までも待ってゐます 打ち拉がれた蒼 朱く染まる 彼行けば 枯れ生きて 風と成りけり 終焉の閃光に 両手翳して 拝啓 冷雨が降り続く 笑顔で きっと 帰ります 含羞む写真をお守りに あなたよ どうか それまで ゆらゆらと揺れる篝火は刹那に嘶き烈しく耀く 君よ 何処へ 何時までも呼んでゐます 打ち拉がれた蒼 朱く染まる 我征けば 破れ逝きて 風と成りけり 終焉の閃光に 両手翳した 我が愛よ 幸あらん事を 君よ 何処へ 何時までも咲ひてゐます 掴めると信じて 双手翳した 彼行きて 我征けば 潰へても尚 此のまゝ枯れやうと 華は朽ちず 一輪の天華と生つて