たどりついたら 岬(みさき)のはずれ 赤(あか)い灯(ひ)が点(つ)く ぽつりとひとつ いまでもあなたを 待(ま)ってると いとしいおまえの 呼(よ)ぶ声(こえ)が 俺(おれ)の背(せ)中(なか)で 風(かぜ)になる  夜(よる)の釧(くし)路(ろ)は 雨(あめ)になるだろう ふるい酒(さか)場(ば)で 噂(うわさ)をきいた 窓(まど)のむこうは 木(こ)枯(が)らしまじり 半(はん)年(とし)まえまで 居(い)たという 泣(な)きぐせ 酒(さけ)ぐせ 涙(なみだ)ぐせ どこへ去(い)ったか 細(ほそ)い影(かげ) 夜(よる)の函(はこ)館(だて) 霧(きり)がつらすきる 空(そら)でちぎれる あの汽(き)笛(てき)さえ 泣(な)いて別(わか)れる さい果(は)て港(みなと) いちどはこの手(て)に 抱(だ)きしめて 泣(な)かせてやりたい 思(おも)いきり 消(き)えぬ面(おも)影(かげ) たずねびと 夜(よる)の小(お)樽(たる)は 雪(ゆき)が肩(かた)に舞(ま)う