墨染めの常夜から 紛よひしき世界よ わかれゆく天地の 分き目にいでし光と陰 柔らかな天地は 水の上たゆたう船 岸辺に生える葦のように果てなく産まれし神 ハイザナ イザヤ クニガタリ ナイザナギ ナヤ イザナミヤ カイダラ ユガラ ウシオツル カノ オンガラシマ ヤンダキ ミダヤ (昔々 世界の始まりの物語を話そう 最後に生まれた男の神様「イザナギ」と女の神様「イザナミ」は 天の神様からもらった矛で海をかき回し、滴り落ちた潮で 「オノゴロ島」という島をつくり、そこで結婚の儀を行った) 互ひの愛 飽かず 止め処なく 満ち満ちて また 八百万の尊、国 生まれ給ふよ 空と大地が 交わるその場所に 溢れる ほとばしる 命の泉よ 常しへ 幸短し お終ひに生みし神の 焔を浴びて 哀れ 焼かれて 命落つる妻神 涙 涸れ果てても 心癒えず 恋しく 逢いたさに黄泉つ国 契り 破りて 辿る夫神 スーコニ イダカラ ヨンツェグイ チーベテ ブーケニ ナイザナミ オオダラ ギーヤラ ナイザナギナ ウースラ シーギデ ニギディーヤ (そこにいたのは黄泉の国の食べ物を食べてしまって化物になったイザナミ イザナギはたいそう驚いて恐ろしくて逃げ出した) ワーキヌ シーコム トゥーサエチ ニィザナギ ウイザナミ クンヨツ アンヨツ シラカイムニ ディーガラ ガンヨケ ウジツシトゥ (両脇に醜女を携えて追うイザナミ 逃げるイザナギ この世とあの世の境目に大きな岩を置いてイザナミと訣別した) かの快楽は 過ぎ去りし戯れ事 追いすがらじて 二度とは逢はねと 背な向け給ふよ 空と大地が 重なるその場所に 色めく 震え出す 命の息吹きよ 甘なひ君 現せみは儚く 散り散りに散り 別れ路に立ちつくし 身を焦がすよう ティラクミ ツクヌクミ ヒガタニ ムマリタムゥ ミヤクミ ヒリヌルウ イキクシ ヌーカラヨ (太陽と神様と月の神様は一日を交互に支配する 海の神様は昼と夜の間を行ったり来たりでどっちつかず) 空と大地が 溶け合うその場所に 萌立つ 湧き上がる 命の奇跡よ 神代の昔から すれ違ひし女男よ 紅か暁に 燃えて 永久に巡りし常