かすかに聞(き)こえた 聖歌(せいか)の音色(ねいろ)も この身(み)に届(とど)かず ただ忘(わす)れ去(さ)られ 己(おのれ)のことさえ わからないままに 今宵(こよい)も咲(さ)かせる 桜(さくら)は 何(なに)も語(かた)らずに 傍(そば)に咲(さ)いていた 「過去(かこ)のことなどは 忘(わす)れればいいさ」 本当(ほんとう)の色(いろ)を 知(し)らないままでも 綺麗(きれい)に見(み)えてた 墨染(すみぞ)めのままで 今(いま)は過去(かこ)の記憶(きおく) 何(なに)も思(おも)い出(だ)せず 自分(じぶん)のことさえも 何(なに)かが染(そ)めてしまい 苦(くる)しむこともなく 今(いま)は此処(ここら)にいるの 悲(かな)しみの色(いろ)でも とても綺麗(きれい)に見(み)えた 遠(とお)くから聞(き)こえても 私(わたし)に届(とど)かない 忘(わす)れ去(さ)る記憶(きおく)さえ 今(いま)は怖(こわ)くないの 真実(しんじつ)を知(し)らずとも 貴女(あなた)が傍(そば)にいる それだけが真実(しんじつ)と ただそれだけでいい あなた求(もと)めるなら 私(わたし)は咲(さ)かせるわ 過去(かこ)を覆(おお)う この色(いろ)で 貴女(あなた)がいるのなら 私(わたし)は迷(まよ)わない 墨染(すみぞ)め、ほら綺麗(きれい)でしょ 今(いま)も過去(かこ)のことは 何(なに)も感(かん)じられず ただ咲(さ)かせていたい この場所(ばしょ)でいつまでも 貴女(あなた)が守(まも)るから 気(き)づかなくてもいい 憎(にく)しみの色(いろ)さえ とても綺麗(きれい)に見(み)えた 遠(とお)くから聞(き)こえても 私(わたし)に届(とど)かない 忘(わす)れ去(さ)る記憶(きおく)さえ 今(いま)は怖(こわ)くないの 真実(しんじつ)を知(し)らずとも 貴女(あなた)が傍(そば)にいる それだけが真実(しんじつ)と ただそれだけでいい 貴女(あなた)がいるのなら 何(なに)も怖(おそ)れないわ 今(いま)もこの場所(ばしょ)にずっと 貴女(あなた)への想(おも)いが この色(いろ)に染(そ)めてた 墨染(すみぞ)め、ほら綺麗(きれい)でしょ