[ti:] [ar:] [al:] [offset:0] [00:02.44]虹の轮 [00:04.41]「夏への四つのプレリユウド」から [00:11.34]あたたかい香りがみちて 空から [00:15.45]花を播き散らす少女の天使の掌が [00:19.57]云のやうにやはらかに 覗いてゐた [00:25.22]おまへは仆に凭れかかりうつとりとそれを眺めてゐた [00:32.92]夜が来ても 小鸟がうたひ 朝が来れば [00:38.10]丛 に露の雫が光つて见えた――真珠や [00:45.43]滑らかな小石の刃金の丛に ふたりは [00:52.04]やさしい树木のやうに腕をからませ をののいてゐた [01:02.06]吹きすぎる风の ほほゑみに 抚でて行く [01:07.13]朝のしめつたその风の……さうして [01:13.11]一日が明けて行つた 暮れて行つた [01:21.29] おまへの瞳は仆の瞳をうつし そのなかに [01:27.13]もつと远くの深い空や昼でも见える星のちらつきが [01:33.25]こころよく こよない调べを奏でくりかへしてゐた