あんたの中には僕はいないが 僕の中には未だにいるんだ。 褪せない、癒えない話ばかり。 言えない僕が悪かったんだ。 あんなに綺麗に着いた火だって あんたが居なけりゃ、ただの日だった。 甘ったるいシャンプーの匂いが、嫌じゃなかったんだ。 コーヒーくらい飲めるようになりなって 笑われたのが、幸せだと思ったんだ。 砂糖がいらないほど。 上品な大人になってみたいって 口を開けて笑う僕らは二十歳になった。 ねえ、あんたの中には僕はいないか。 どっか隙間に見落としてないか。 拙い、見えない話ばかり。 いっそ離れてみやしないか。 あんなに大事にしてた日だって あんたにしてみりゃ狎れ合いだった。 微々に甘い香りを残して、君は去っていくんだ。 I think we are good friends. 36℃が体からいなくなったみたいだ。 食器も、コップも増えたんだ。 一つ減ったから、増えたんだ。 上品な大人になってみたいって 口を開けて笑う僕らはもう居なかった。 なあ、あんたのせいにはしたくはないが 他に代わりが見つからないんだ。 解せない、いらない話ばかり。 どこで道を間違ったんだ。 あんたが綺麗にしてた部屋には あんた以外の荷物が残った。 減らない、消せない思い出の類が多過ぎるんだ。 あんたの中には僕はいないが 僕の中には未だにいるんだ。 褪せない、癒えない話ばかり。 言えない僕が悪かったんだ。 あんなに綺麗に着いた火だって あんたが居なけりゃ、ただの日だった。 散々に甘い生活を残して、君は去っていくんだ。