「ああまだ寝てていいよ。昨日は遅かったでしょ?」 じゃあ、お言葉に甘えるよ。 次に起きれば夕方。昼顔が咲くのを見逃したようだ。 約束だったよな。 買い物にいこうか。荷物は持つから。 好きなお菓子でも買うといい。 それがいい。 話をしよう。なんて話は、やめにしよう。 「大丈夫だよ。」 なんて言葉を保険みたいに。 何度も。 何度も。 何度も。 何度も。 別に好きじゃなくていい。 隣にいなくてもいい。 から、後ろめないでよ。 「遊ぶならバレないでね。」 それで君の気が済むなら、良いさ。 洟をすすってまで。 布団が空になったあとの温度に 僕ら騙されたんだ。本音に。 今だけ距離をおこう、なんてさ。 これ以上は他人じゃないのか。 何もしないほど子供じゃないのに。 話をしても、どうにも針が狂っていくんだよ。 「大丈夫だよ。」 なんて言葉にしがみついている。 言い聞かせるように。 真昼に見ていた、いつかのドラマ。 終わり方がよく似ていた。 僕らはきっと同じ方向に向けて喋っている。 「確認をしよう。 鍵は閉めてね。ちゃんと食べてね。 結婚式には誘わないで。 缶は水曜。私の私物もちゃんと捨てて。 同じような人を好きになったら笑うよね。 でもね、そうなる気がちょっとだけするんだよ。」