鞋 feat. sea-no / Sandal 04:11 上がれば眩しくて。 思わず、目を閉じた。 背伸びした君がはにかむ。 花火が見えないと言う。 「花緒が指にかかって痛い。  それでも、あなたと居たかった。」 湿った浴衣。 夜空に急に咲く花火。 繋ごうとすれば、繋げる手。 途切れ途切れの会話。 次の一発が鳴る前に 言いたいことがあるよ。 さよなら以外なら、何でもよかった。 良かった、よかった。あなたも同じみたいだ。 人の群れに逆らい、歩いていく。 生きているみたいだ。 繋ごうとすれば、繋げる手。 途切れ途切れの会話。 僅か一投の花火さえ 永遠のような光。 このまま二人、夜を跨いで 逃げてしまおうか。行ってしまおうか。 言ってしまおうか。 笑顔が眩しくて。 思わず、目を奪った。 明り散る花を見つめる 君しか見えないのだ。 離そうとすれば、離せる手。 だけど、今は委ねた。 跳ねる一瞬の閃光に 見失わないように。 繋いたまま、離れないまま。 遂になくなる会話。 始発電車を待つ夜に 言いたいことがあるよ。 思えば、楽しくて。 想えば、苦しくて。 明けていく空が、綺麗だ。 絡めた手はそのまま。