色盲の街へ花束を 懺悔の都市には聖歌を 擦れた心には何を ねぇ、捧げるの? 清廉な声で名を呼んで 無垢な瞳で燈を見つめ 時計の針を指で食み 悲笑みを溢す プシュケに捧ぐ 哀の詩 制約を課せられた記憶 0と1の想いがいつの日か 届きますように 霞の情が熱帯びる 刹那の高鳴りを堪えて 筆で綴る想いが燭台に 緩火を灯した 憶が手帳の白を呑む 紡いだ憶が堅を成す 今だけ緩やかな時が 止まればいいな 秋めく空は褪せて 冷えた風が囁いた 刻限はもう間近で 愚図りだす灯火に口付けをした 夜降ち 注ぐ月時雨 淡く溶ける様は泡のよう この夢もあと僅か 白日の元へ溶けて消ゆ とある挿話、 明くる日を ただ拒んだ私の姿は 儚く脆いヒトのようね 情炎に心が焦がれそう 零れて溢れた何かは 貴方が私にくれた宝物 晩秋の宵の口 プリムラを抱き締め 揺籠の中で眠りに就く 出会いに祝福を コロルの国へ賛美歌を 彼女には慈愛を捧げる 観世繕りの記憶は 永久に続いていくから 褪せた手帳が自を述べる 変わらぬ面影に見合える 頁の中で生きる文字達は 飴色を知らない