夜空の真ん中を決めるのにためらい、 まだ書き始められないでいる。 見ればそれだけ違うところばかり見えて、 ちょうどいい場所が定まらない。 何度目の夜を迎えたんだろう。 星が落ちるなら簡単だが、 動かないままの散った瞬きに思う。 真ん中はなくとも美しいと。 千切れそうな心に、精一杯の点をひとつ。 何かの始まりになるか、目印になるのかもしれない。 世界のどこかで懸命に生きているひとりも、 誰かの始まりになって、目印になるのでしょう。 噂の営みに乗り合いを拒まれ、これ当然と折れる人がいた。 あの夜空も型を変え続けるのです。 運命も一様に移ろいゆく。 千切れそうな心に、精一杯の点をふたつ。 何かの続きにもなるか、意味が生まれるかもしれない。 出来栄えはわからないが、そのとき思い出すだろう。 これはあの日、あれはまた別の日。 違いは隠しておいてもいい。順序は後から悔やめばいい。 だから消してしまうことはない。 だから消してしまうことはない。 千切れそうな心で、精一杯の点をつなげ。 何かの続きにもなるか、意味が生まれるかもしれない。 世界のどこかで懸命に生きているひとりも、 誰かの続きになって、意味を与えられたのでしょう。