[00:00.902]「どうして?」 [00:05.917]虚ろに呟く声は忌まわしき賛美の歌に掻き消される [00:12.474]何も感じず、けれど何もかもを受け入れる [00:18.639]皮肉にも [00:20.467]それこそがここで生きていくための最良手段|Diriges proximum tuum sicut te ipsum. [00:25.300]高が一個人の自由意志など何の意味も成さないのだ|Sapientia virtus est, [00:33.412]「神に選ばれ、そして許された者よ、さぁ、誓って」|id summum bonum est. [00:40.843]「案ずることはない、辛い記憶は全部、幸福へと乗り換えてしまうね」|Deo duce, non errabis. [01:05.346]聖堂に響く福音と [01:12.477]偽造の楽園 虚飾の神に [01:21.019]成す総べなく跪き伏した [01:28.908]確かに手にした幸福は [01:36.196]掌の雪のよう脆く溶けて [01:44.712]全て淡い幻想と消える [01:52.601]絶対的な力が支配する中 [02:00.830]抗う事すら滑稽に思えた [02:08.431]いつか描いた理想の輪郭は [02:15.720]存在も意味も曖昧になって [02:26.195]君と交わした100の約束は [02:33.927]果たされることなく役目を終えた [02:41.764]最悪の結末を受容して [02:50.959]私は忌むべき誓いを口にする [03:09.662]「罪を清め、祈りを忘れず、神と王、そしてアークに、この身の全てを捧げます」 [03:23.272]震える声で紡ぐ呪いとも感じた言葉 [03:28.314]けれど、それを述べた瞬間 [03:32.624]これまでの全てがまるで長い悪夢だったかのように思えた [03:38.214]それは目覚めの朝 [03:40.226]私を蝕んでいたものが夢であった時の安堵に誓いだろうか [03:46.835]心が晴れ蟠りも嫌悪感も跡形も無く消え去る [03:54.358]「あれ?ノア様、私は……」 [04:02.142]「967番、神の寵愛を受けた優良遺伝子よ、君を心に歓迎しよう」 [04:15.935]まるで生まれ変わったように [04:23.615]世界はクリアに模られてゆき [04:32.131]眩しいほど光が差し込む [04:40.098]一体何処に疑う余地があるのか? [04:47.961]嘗て心を乱したモノすらも [04:55.929]もう朧げな過去の欠片となり [05:03.243]彼方の空へと霞みなくなった [05:15.782]君と過ごした1000の幸福を [05:23.331]片時も忘れず歩み続ける [05:31.351]痛みも涙も皆書き換えて [05:39.867]輝く希望の明日へと踏み出すよ [05:54.782]七色の麗しい旋律と [06:02.593]幸せを謳う鳥に魅せられて [06:10.717]心が遠く奪われたようで [06:21.036]神に誓った10の戒めと [06:28.585]この聖名を深く胸に刻もう [06:36.918]扉の向こうに待つ 愛おしく [06:45.356]幸福に満ちた未来を生きるんだ [07:02.287]「いつか私もモモのようになって見せるよ、神様の理想の一部に」|In principio creavit Deus caelum et terram. [07:15.932]ここは幸福安全保障機関アーク、光に満ち溢れた理想郷|Deum colit qui novit. [07:25.427]「集いし優良遺伝子たち、その目で見届けよう、神の降臨を以て完全となるこの方舟の姿を」|Deus ex machina!