紅い涙 流す女が 居ると言う どんな恋に 汚れなき胸 痛めたのか 淡い 幾重(いくえ)の衣 脱がすよりも 心縛る 想い出 ほどきたいね 緋色(くれない)の想い あふれる女(ひと)よ 夢と呼べないその夢を 見せてくれないか 君の哀しみは 君のものだよ ひたむきに 生きた 証 爪を立てて 三日月(つき)は夜空を 恋しがる 光るだけの 星屑よりも いじらしいね 恋を 微笑みながら 捨てるよりも 我を忘れ 泣くのは 強さだろう 緋色の涙 あふれる女(ひと)よ 声にならないその声で 呼んでくれないか 君の悦楽(よろこび)は 君のものだよ 止め処(とめど)なく 抱いた 証 君は 君が言うより 可愛いのに そして 君が言うより 哀しいのに …移り香(が)の帳 一夜(ひとよ)の恋よ 乱れる花の裾(すそ)模様 絹(きぬ)ずれの扇(おうぎ) 孔雀の影絵(かげえ)と 戯れながら この胸は 冷(ひ)えて 緋色の想い あふれる女(ひと)よ 涙嫌(ぎら)いこの私 惑わせておくれ 心の在り処(ありか)を 思い出せたら しもべになろう 君の