瞳見つめ、見つめている先に 浮かぶ蕾、夢の白と黒で 「願わくば花の下にて春死なん」とつぶやき眠る 次の暖かさを夢に眠って あの日のけだるい暑さで目を覚ます、ここは望まない 終の寝床求め夢に眠って 風が過ぎて鳥の休む頃に 夜の色が映えて沈む頃に その如月の望月の頃に華やかなりし頃に 静けさの宴の中で眠って 永きの安らぎと痛みのない時を待ち侘れば 幾度目かの春の息吹で目覚めて 瞳見つめ、見つめている先に 枯れる蕾、夢の赤と白で 風が過ぎて鳥の騒ぐ頃に 夜の色が映えて焼ける頃に 「願わくば花の下にて春死なん」とつぶやき眠る 次の暖かさを夢に眠って その如月の望月の頃に華やかなりし頃に 静けさの宴の中で眠って 満開の花びらが散り行く下で、紅の渦巻く まぶたを閉じ、身をたおやかに横たえ 「夢から覚めた夢」のような色の月の下で死を 景色を終わりを抱いたまま眠って 瞳見つめ、見つめている先に さくら、さくら、夢の中の色で