音の破片集め あたしは谷の姫 そう 歌おう 誘いだすのが花海 逸れた蝶々一匹 あたしは君の影よ そう 拍子取れば 手を繋ぎましょう 屋敷の奥 ステップ取って 「一、二、三」と、踊り出す 飾り上げた 薔薇はひらり そっと朽ちていくわ 見知らぬ瞳には ささやかな幸せ さあ 酔いしれ 甘い甘い一雫 誘惑はいつでも 優雅な薫り纏うの さあ 真朱な果実 飲み込まれたら 金の指輪 銀の小人 私のおもちゃ箱 紅いドレス 赤いリボン 愛しいお人形 「ああ。お父様、お母様。この部屋から出してはいけないのが、何故なの?」 「籠の鳥でいられ続けるのが、もう嫌です。私、自由になりたい。」 「たとえばその自由は、『虚無』を意味するだけだとしても。」 「ねえ、メディ。自分の力で、動くことすら出来ない君にも…」 「きっと、分かってくれるんでしょうか?」 音の破片嗄らせ あたしは鈴の乱 ねえ この手を取れば 永遠に溺れ 眠れた蝶々一匹 あたしは人間の影よ ねえ 小指でそっと 結ばれましょう 眠り姫で居られるように すべてを忘れ去り そっと『夢』に口づけを ほら、私は『楽園』へ