風が紡ぐ街へと 一人荷を背負い 鼓動の先を告げる絆を 今はまだ知らずに 遠く離れし郷里(さと)の願いを抱いて 道行く人に尋ね歩く この風の行方を かつて災いを運んできた種は 何れまた同じ業を積み上げるのだろう 根源を繋ぐ螺旋の木よ この地に住まう者 全てに伝えて もしも明日を包む光を望むなら 新たな道の先をどうか拒むなかれ、と 旅空の下過ぎゆく 小さき邑々(むらむら)は 朽ち果てて忘れ去られる 病に蝕まれて 古き縁(えにし)を辿る掟を廃せば 凝り固まった鬱念が 其を許さず縛り付ける 遠き大地よりもたらす 異郷の知と技を 否定されて踏みつぶされて 何も救えぬことを知った 苦しむ人がいる それを和らげる術もある けれどそれを望まぬ者に どうしてこの手を伸ばせようか 諦めに沈んだ私に <嘆かないで 外つ国人よ> ほのかに笑いかけてくれた <貴女の厚意を疑いはしない> 少女が語る古よりの <けれど風と歩んできた> 約束 即ち…… <我らには我らの法があるのです> 風と大地へ捧ぐ生命(いのち)を 少女は抱き逝くのだろう <風と生きる我らの約束> 無力に立ちすくむ私に ただありがとうと笑って <恐れはしないわ 誇りにこそ思う> 優しき魂に安らぎを 愛しき心に祝福を <螺旋のゆりかご 再び廻るから> 君が守らんとしたこの地に 私は挑もう何度でも <気付いてください また逢えたなら>