[00:50.17]吾妻路を 都の春に志賀山の [01:30.25]花見小袖の 縫箔も [01:50.65]華美(はで)をかまはぬ伊達染や [02:06.51]斧琴菊(よきこときく)の判じ物 [02:21.92]思ひ思ひの出立栄 [03:11.29]連れて着つれて行く袖も [03:38.29]たんだ振れ振れ六尺袖の [03:54.84]しかも鹿の子の岡崎女郎衆 [04:19.44]裾に八つ橋染めても見たが [04:36.41]ヤンレほんぼにさうかいな [04:46.47]そさま紫色も濃い [04:55.60]ヤンレそんれはさうぢゃいな [05:06.54]手先揃へてざざんざの [05:22.81]音は浜松よんやさ [05:59.83]花と月とは どれが都の眺めやら [06:23.65]かつぎ眼深に北嵯峨御室 [06:46.29]二條通の百足屋が [07:03.90]辛気こらした真紅の紐を [07:23.97]袖へ通して つなげや桜 [07:51.42]ひんだ鹿の子の小袖幕 [08:18.96]目にも綾ある 小袖の主の 顔を見たなら [08:50.86]なほよかろ ヤンレそんれはへ [09:25.87]花見するとて 熊谷笠よ [09:47.90]飲むも熊谷 武蔵野でござれ [10:05.05]月に兎は和田酒盛の [10:32.18]黒い盃闇でも嬉し [10:45.80]腰に瓢箪 毛巾着 [11:02.23]酔うて踊るが よいよいよいよいよいやさ [13:38.96]武蔵名物月のよい晩は [14:05.44]をかだ鉢巻蝙蝠羽織 [14:33.46]無反角鍔角内連れて [14:46.54]ととは手細に伏編笠で [15:01.58]踊れ踊れや 布搗く杵も  [15:22.68]小町踊の 伊達道具 [15:38.50]よいよいよいよいよいやさ 面白や [16:20.27]入り来る入り来る桜時 [16:31.40]永当東叡人の山 [16:39.99]いやが上野の花盛り [16:47.66]皆清水の新舞台 [17:53.41]賑はしかりける次第なり