私(わたし)のとなりのおじさんは 神(かん)田(だ)の生(う)まれで チャキチャキ江(え)户(ど)っ子(こ) お祭(まつ)りさわぎが大(だい)好(す)きで ねじりはちまき そろいのゆかた 雨(あめ)が降(ふ)ろうが ヤリが降(ふ)ろうが 朝(あさ)から晚(ばん)まで おみこしかついで ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ 景(けい)気(き)をつけろ 盐(しお)まいておくれ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ソーレ ソレソレ お祭(まつ)りだ おじさんおじさん大(たい)変(へん)だ どこかで半(はん)鐘(しょう)が なっている 火(か)事(じ)は近(ちか)いよ スリバンだ 何(なに)をいっても ワッショイショイ 何(なに)をきいても ワッショイショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ソーレ ソレソレ お祭(まつ)りだ そのまた隣(となり)の おばさんは 浅(あさ)草(くさ)育(そだ)ちで チョッピリ美(び)人(じん)で お祭(まつ)りさわぎが 大(だい)好(す)きで 意(い)気(き)な素(す)足(あし)に しぼりのゆかた 雨(あめ)が降(ふ)ろうが ヤリが降(ふ)ろうが 朝(あさ)から晚(ばん)まで おかぐら見(み)物(もの) ピーヒャラピーヒャラ テンツクテンツク おかめと鬼(おに)が ハンニャとヒョットコが ピーヒャラピーヒャラ テンツクテンツク ソーレ ソレソレ お祭(まつ)りだ おばさんおばさん 大(たい)変(へん)だ おうちは留(る)守(す)だよ からっぽだ こっそり空(あき)巣(す)が ねらってる 何(なに)をいっても ピーヒャラヒャ 何(なに)をきいても テンツクツ ピーヒャラピーヒャラ テンツクテンツク ソーレ ソレソレ お祭(まつ)りだ お祭(まつ)りすんで 日(ひ)が暮(く)れて つめたい風(かぜ)の 吹(ふ)く夜(よる)は 家(いえ)を焼(や)かれた おじさんと ヘソクリとられた おばさんの ほんにせつない ためいきばかり いくら泣(な)いても かえらない いくら泣(な)いても あとの祭(まつ)りよ