黄燐が生み出す炎 罪深きこの身を焼き尽くす ひとかけらのパンを得る お金が必要だった 「マッチを買ってくれませんか?」 振り向いてもくれない 希望さえ凍りつくほどの 寒さに身を震わせていた わずかなぬくもりを求めて マッチの先端に火を灯した 揺らめきの先 見えた幻像 ねえ魅せて 至福の追想 黄燐が生み出す炎 暖めて この身と心を 現実に戻ればそこには 売れ残りの孤独 全てのマッチを売るまで 父は何も食べさせてくれない 寒さも空腹も もう嫌だ 父の待つ我が家に火を灯した 揺らめきの先 見えた影像 ねえ燃えて 幾千の苦悩 焼け落ちた家から持ち出した コインで一つパンを買った それは許されぬ大罪 縛りつけられた身体 処刑人が私の足元に 火を灯した ひとかけらほどのパンが食べたかっただけ それさえも許されなかった 黄燐が生み出す炎 焼き尽くす この身と心を