[00:51.06]静まり返り 眠る街を駆けゆく [00:57.55]吹き抜け踊る 風に乗り夜の淵へ [01:04.00]輝く月が その横顔を捉える [01:10.58]冷たく光る 左手は何を掴む [01:17.07] [01:17.35]解れゆく世界の 欠片をひとひら [01:23.44]意思の火を片手に 縢り歩く [01:29.64]終わりなど見えない 仕組みなのだから [01:36.09]問う事は諦め 一つ一つ [01:41.51] [01:42.27]絓糸途切れ 気付けば唯一の針 [01:48.76]縋る事さえ 許されずに膝を折る [01:55.37]水面に映る ツギハギだらけの身体 [02:01.87]空蝉に問う これは夢か幻か [02:08.04] [02:08.36]くたびれては眠り 赤い夢を見る [02:14.57]篝火は倒れて 空を焦がす [02:20.89]急き立てられるように ゆらり歩き出す [02:27.46]孤独な太陽の様に 繰り返して [02:33.32] [02:54.15]繋ぎ止める [03:04.44]全ての火を [03:17.58]澄み切った青空 岩陰にもたれて [03:24.43]頬撫でゆく風は 「おやすみ」と呟いた [03:31.09] [03:36.81]解れ 解れ [03:38.02]欠片に戻る現世の記憶は [03:43.12]霧散の瀬戸際を未だ見ず [03:48.91] [03:49.11]辛うじて留める [03:50.94]形を繋ぐ敢え無い魔法は [03:55.80]掛け替えの無い命の影 [04:01.85] [04:02.21]動かぬその右手にはクチナシの花束を [04:08.36]地に返る魂に捧ぐ餞 [04:14.90]残された世界には縁なしの絶望と [04:21.30]願わくば暫くの永遠を [04:27.68] [04:45.52]-END- [04:58.99]