「恋々すてるす」 Like a rabbit 雨色 芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend ひみつの 隠(かく)れ家(が)に 迷(まよ)い込(こ)んだ 少年(しょうねん) 臆病(おくびょう)な 私(わたし)は 声(こえ)をかけられなくて 手(て)の平(ひら)に すくった 水(みず)がキラキラして 映(うつ)りこんだ 笑顔 (えがお) 見(み)えた どうにも こうにも もどかしくて 縮(ちじ)まない距離(きょり)が イヤ! 「始(はじ)まりはじぶんから」 胸(むね)が鳴(な)る 恥(は)ずかしさが募(つの)り 姿(すがた)を隠(かく)して 彼(かれ)の隣(となり) 知(し)らない鼓動(こどう)が 鳴(な)る 今(いま)はここまでだけど いつの日(ひ)か 名前(なまえ)を 聞(き)けたらいいな 気(き)がついたらいつも 君(きみ)のこと 捜(さが)してる 臆病(おくびょう)な 私(わたし)は 姿(すがた)をかくしたまま 君(きみ)を見(み)ない日々(ひび)が 少(すこ)し 続(つづ)くだけで 淋(さび)しさが心(こころ)に 響 (ひび)く どうにも こうにも もどかしくて 縮(ちじ)まない距離(きょり)が イヤ! 「始(はじ)まりはじぶんから」 胸(むね)が鳴(な)る 恥(は)ずかしさが募(つの)る 芽生(めば)えた 気持(きも)ちの 名前(なまえ)はなに? 戸惑(とまど)いの音(おと)が 鳴(な)る かき混(ま)ぜた 河(かわ)の底(そこ) 流(なが)れてく 合(あ)わせた 羽(はね)を休(やす)めて どうにも こうにも もどかしくて 透明(とうめい)なままは イヤ! 見(み)つけてもらいたいの だから今(いま) ズルの鍵(かぎ)を 外(はず)す 「見(み)つけた!」 君(きみ)の驚(おどろ)く顔(かお)に つられて微笑(ほほえ)む  ほら! 少(すこ)しだけ 近付(ちかづ)けた 距離(きょり)の分(ぶん) 「君(きみ)の名前(なまえ)を教(おし)えて」 「恋々すてるす」 Like a rabbit 雨色